「倫理に出会って」をお届けします No.6

 

現在、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)予防のため、活動を休止しております。

この未曽有の危機の今こそ倫理が必要ではありますが、なかなか集うことができず、
皆様に倫理の良さをご理解いただく機会がないのが現状です。

そこで皆様に少しでも倫理に触れていただくために
倫理体験をこのホームページに掲載しております。

有志による寄稿となります。
掲載は不定期となりますこと、ご了承くださいませ。

 

第6回は会員のかたからのご寄稿ですが、匿名での掲載を希望されました。

 

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会社を経営して5年。労働組合が結成され、その組合運動は非常に過激なものになっていった。
このままでは会社をまともに運営できないと思いあまった私はその打開策を先輩に相談した。

 

その先輩は富士山の麓に行くことを勧めてくれた。
何もわからない私は藁をもつかむ思いで直ちに富士高原研修所(※1)へ向かった。

昭和58年10月12日、それが私と倫理との出会いであった。

 

最初は堅苦しいというのが正直な実感であった。
挨拶の徹底、部屋の出入りの所作、食事の際の所作、ベッドメーキング等々。
それまではどちらかといえば規律とは縁のない生活を送っていた私には異質なものに思えた。
実際、荷物をまとめて途中で帰ってしまおうとさえ思った。

しかし3日目になるとなんとも気持ちが爽やかになった。
行動の基本の型を徹底して実践した結果であろう。
そして『万人幸福の栞』と、具体的実践につながる行動指針などが
私に幸福と繁栄のための方法を明確にしてくれた。

最後には「これだ!これを自分の人生の指針にしていこう!」と強く確信するに至った。
この倫理を「できるだけ多くの皆様にお伝えしていきたい」と強く思うようになり、
研修で学んだ朝礼などを職場に活用し、職場は徐々にではあるが、
協力しあう良い雰囲気に変わっていった。

 

 

富士研でのセミナーの中で講師の先生から「継母は神様と思え」との指導があった。

昭和39年、私が19歳の時に実の母を亡くし、その約5年後に若い継母をむかえることになり、
複雑な思いを抱いたのは正直な気持ちであった。

そんな中で継母は父に尽くし、まだ若い私の妹弟を愛しんで世話をしてくれていた。
うち沈んでいた父も継母のおかげですっかり元気になっていた。

 

講師の「継母は神様と思え」との言葉にその意味が分からずさっそく富士研の先生に
手紙で尋ねたところ、即座に返事がきた。

 

「父を助け、他人の子を我が子と信じ、我が子以上に愛情を注いで育てる。これは神の愛です」

 

「そうか!そうだったのか!」
深い気付きを得た私は継母に詫び、心からの感謝の思いを抱くようになり態度を改めた。

それから家庭は和やかなものに変わっていった。
日々の生活の中で「和やかな家庭」の大切さを改めて痛感している。

 

このように倫理は最も大切な人間関係を根底の部分でしっかり指導し、
大きな力を与えてくれたと深く感謝している。

倫理を学び、それを実践することは必ず「幸福と繁栄」に結びつく。

 

倫理の実践によって「幸福と繁栄」の体験をしっかりと自分のものとし、
それをできるだけ多くの皆様方にお勧めしていこうではありませんか。

 

 

岩手県内倫理法人会所属  K

 

 

※1
富士高原研修所
経営者や企業幹部・一般社員または小・中高生など
それぞれを対象とした倫理実践セミナーの受講が可能な施設。
通称「富士研(ふじけん)」。